日本公開天文台協会(JAPOS) 第7回全国研修会について(報告)
みなさま 公開プログラムWGの宮本です。
こんにちは。
以下のタイトルで、全国研修会が、1/28〜29の3日間、東京の「国立科学博物館」と「ギャラクシティ」を会場に行われましたので、ご報告します。
1.日 時 平成31年1月28日(月)10:00~30日(水)12:00
2.場 所 1月28日(月)
〒110-8718 東京都大東区上野公園7-20
「国立科学博物館」
1月29日(火) ~ 1月30日(水)
〒123-0842 東京都足立区栗原1-3-1
「ギャラクシティ」
3.テ ー マ 理論と実践:サイエンスコミュニケータとしての天文台解説員
4.研修会内容
〇参加者は33名(役員の坪根さんと洞口さんも含みます、3日間参加されました)。
◯その他に、南阿蘇ルナ天文台の宮本・高野・園木が、ファシリテーターを務めました。
◯今回の参加者は、JAPOSのMLから46%,JPAのMLから23%,天教のMLから15%で、特にプラネタリウム解説者や科学館の解説者がたいへん多かったのが、いつもとは違う点でした。
JAPOS会長からのあいさつ(代読)の後、国立科学博物館の小川義和先生が、「サイエンスコミュニケーションのはじめ方」と題して基調講演を行われました。
研修内容は、南阿蘇ルナ天文台の宮本、高野、園木が、テキスト・資料・スライドの作成と、グループワークのファシリテーションを担当しました。
また、うすだスタードームの坪根さんが「天文解説員の頭の中-5」として発表されました。
夜には、屋上にある日本でもっとも古い公開天文施設の一つである「赤道儀室」で、洞口俊博先生による天体観察会が行われました。
研修会の内容としては、「誰が、誰と、何を、どのように伝え合うのか」、という全体を貫くテーマに沿って、以下の切り口で理論を紹介し、また実際にさまざまな演習を行いました。
1)科学(天文学)の考え方や手法
2)人間の脳と認知機能
3)理解と納得の構造
4)ファシリテーション
5)ストーリーテリング
6)ナラティブ
また、対をなす裏テーマとして「なぜ、自分の解説をきちんと聞いて理解してもらえないのか」を切り口としました。
教育理論からは
1)刺激反応論
2)解説的教育論
3)発見学習論
4)構成主義
以上4つの観点から世代ごとの天体解説を分析し、実際の演習に取り入れました。また、いくつかのセッションは、アクティブラーニング1型~3型の形式で行いました。
さらに上記のさまざまな理論や手法が、第1世代~第3世代の天体観察会の世代進展とも重なって、実際に展開されている事をいっしょに学びました。
最後に、来るべき第4世代の公開天文台や解説方法についても、言及いたしました。
ワークショップとしては、
1)ファシリテーション
2)ストーリーテリング
3)ナラティブ の3つの手法を互いに織り込みながら、序章に始まり、ものごとが展開し、終章を迎えながらも、さらに物語が続いていく構造としました。
夜の情報交換会も、これまで以上に熱心に話が続いていました。
参加者からは以下のような声(一部)をいただきました。
「経験的に見いだしてきたことが体系的に整理できたこと、そしてその先を考える道すじを示して頂け、ありがたく思いました。時代に見合った活動としていく上で、とても有効なものであると思います。このような研修を企画され、参加させて頂いたことに心より感謝いたします。」
「サイエンスコミュニケーションを実際にどのように展開していけるか、なかなかイメージがしにくかったのですが、第1~第3世代博物館論と組合わせて行われたことは、大変興味深いものでした。まだまだ具体化し、実践していくには時間がかかりそうですが、地道に積み重ねる必要性を感じました。」
「光学的なことが知らぬままにやっていたので(お恥ずかしい)、初めて意味がわかってうれしかったです。基本的な話から、コミュニケーションの大切さまで、私の説明がなぜ聞いてもらえないのか、これからどうすべきか、見えてきた気がしました。ありがとうございました。」
「さまざまな観点からのお話が多くて楽しかったです。」
研修会に参加されたみなさんには、大変お疲れさまでした!
また、開催にあたっては、初日会場の国立科学博物館の小川先生、洞口先生には、講師として講演や天体観察会を実施していただき、本当にありがとうございました。
また、2日目~3日目の会場となったギャラクシティでは、田部一志さん、田中千秋さん、小野夏子さんには、会場のご配慮やマルチ体験ドームでの特別投影など、大変お世話になりました。
ではみなさん、また次の研修会でお会いしましょう!