日本公開天文台協会JAPOS(Japan Public Observatory Society)発足の経緯


 日本の公開天文台の歴史は古く、1926年に設立された財団法人倉敷天文台にまで遡ります。自治体の公開天文台は1950年に設立された旭川市天文台が最初で、 名古屋市、仙台市などが続きましたが、それはごく限られたものでした。
 その数が飛躍的に増加し始めたのは1980年代からで、今では、世界に類例のない300施設以上を数えます。また全国の都道府県のすべてに分布しており、地域 住民にとっても身近な存在になりつつあります。
 しかし、昨今の生涯学習施設を取り巻く環境は厳しさを増すばかりで、より一層の連携を図るべく数年来組織化が検討されてきており、「第14回全国の天体観測施設の会」(2005年7月 西はりま天文台公園)において、『日本公開天文台協会(JAPOS)』の発足が決まりました。「日本公開天文台協会(JAPOS)」は、観測設備をもち、天体観望会などの公開業務を行っている施設およびその施設に携わっている人なら誰でも参加でき、それ以外の人でも賛助会員として参加することが できます。
 JAPOSは公開天文台の発展と、職員の資質の向上や交流を深めるとともに、天体を通して豊かな人間性の育成をになう生涯学習の充実をめざすことを目的とし ています。

○ JAPOSに参加するメリット
・観光,教育,研究を問わず、全国の公開天文台の持つ運営上の目標や問題点を共有する。
・施設の文化価値を高める活動に参加することができ、ひいては施設と職員の社会的認知の向上に寄与することができる。
・全国の公開天文台と職員間の情報交換,人的交流,関連機関との連携に参加することができる。これらの情報,連携には、天体観測上の専門的な内容と管理運営上の内容が含まれる。
・JAPOS総会(参加費別途) に参加することができ、施設運営の意見交換や研究発表を行える。
・総会参加者には、集録を発行する。
・JAPOS事務局より年4回のサーキュラー(会報)を受け取ることができる。
・会員メーリングリスト を通じて、全国の公開天文台および職員との情報交換ができる。
○ JAPOSとして将来的に会員に提供を予定するサービス
・生涯学習支援事業
 * 天文情報,資料等の提供
 * 他施設との人的(講師,指導者等)物的(展示物等)支援
・研究観測支援事業
 * データベースの構築
 * 観測ネットワークの構築
・施設運営調査
 * 公開天文台白書(公開天文台の実態調査)の発行
・専門職員の研修事業
・社会的地位向上の取り組み
 * 資格制度の調査・研究
 * 文部科学省,日本天文学会,国立天文台,地域の大学との連携
 * 啓蒙キャンペーン活動